泌尿器科(予約制) ※木曜日
※対象年齢:乳幼児以上
主な疾患について
尿路結石
腎臓で作られた尿が通る道は、尿路とよばれます。尿路には、腎臓、尿管、膀胱、尿道が含まれ、尿路のどこかにミネラルや有機物を含む結石ができる病気を尿路結石と言います。
原因
複数の要因が影響しています。具体的には、尿の流れの停滞、尿路の感染、内分泌や代謝の異常などが挙げられます。
症状
結石が小さい場合には、無症状のこともありますが、結石によって尿の流れる道が閉塞してしまうと背中やわき腹、下腹部に痛みが起きます。痛みの持続時間は2~3時間のことが多く、痛みの強さに波があるのが特徴です。結石の刺激で血尿が起きることもあります。
尿路感染症
尿路感染症とは、尿の通り道である尿道口から菌が侵入し、体内で繁殖する感染症の総称です。
<上部尿路感染症>
腎盂腎炎などのより上部の尿路感染症のことを指します。
<下部尿路感染症>
膀胱炎や尿道炎など、尿道口に近い部分の尿路感染症のこと指します。
下部尿路感染症では排尿痛、頻尿、血尿といった尿の症状が中心になりますが、上部尿路感染症では高熱、腹痛、吐き気といった症状が出ることがあります。
原因
尿道口から菌が侵入して、体内で繁殖することによって起こります。ほとんどの場合が大腸菌などの細菌ですが、ウイルス感染である場合もあります。また、淋菌やクラミジアなどの性行為によって感染する病原菌が原因であることもあります。
症状
<上部尿路感染症の症状>
- 38℃以上の高熱
- 腰や背中を叩いたときの鈍い痛み
- 吐き気、嘔吐
- 体重減少
- 食欲不振
- 尿の濁り など
<下部尿路感染症の症状>
- 排尿痛
- 頻尿
- 残尿感
- 血尿
- 尿の濁り など
尿管結石
尿管結石とは、腎臓と膀胱をつなぐ尿の通り道である“尿管”に結石が生じ、強い痛みなどの症状が現れることを言います。
原因
結石は尿中でシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸などが飽和状態になり、結石の前段階である“結晶”が生じることをきっかけに発生します。結晶はごく小さなものですが、その表面にさらにシュウ酸やリン酸、カルシウムが付着していくと、徐々に大きくなり、固まることで結石が形成されます。
症状
尿管結石では、腎臓で発生した結石が尿管へ移動し、尿の通り道を塞いでしまうことにより、腰や背中、脇腹、下腹部などに激しい痛みが生じることがあります。このような痛みは、朝方や就寝中に起こりやすく、痛みとともに吐き気や嘔吐を伴うこともあります。また、結石が尿管の粘膜と擦れることによって、血尿が生じることもあります。
結石が尿管から膀胱へ落ちていく過程で激しい痛みはなくなり、その代わりに下腹部の痛みや頻尿・残尿感が現れることがあります。結石が完全に膀胱に落ちると、これらの症状も消えます。
尿道炎
尿道炎とは、膀胱にたまった尿の通り道である尿道が、病原菌などに感染することによって炎症が起こる病気を指します。
原因
尿道炎の原因は大きく分けて、性行為を介してパートナーから病原体がうつることで発症する性感染症と、大腸や肛門に潜んでいるばい菌が尿の出口(尿道口)から侵入して炎症が起こる異所性感染の2種類があります。
<性感染症>
クラミジアや淋菌などの細菌が主な原因菌です。性行為を介してパートナーから病原体が移ることで発症します。
<異所性感染>
大腸や肛門に潜んでいるばい菌が尿の出口(尿道口)から侵入して炎症が起きます。外陰部から肛門までの部位の衛生状態がよくないことなどが影響すると考えられます。
症状
<排尿痛>
排尿するときに痛みが生じます。
<尿道分泌物>
尿道口から、膿のような分泌物が排出されることがあります。主に白色や黄色の、粘り気がある分泌物がみられます。
梅毒
梅毒とは、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌に感染することによって引き起こされる病気です。主な感染経路は性行為とされていますが、感染者の体液や血液に触れることによって皮膚の傷口や粘膜から感染するケースもあります。
原因
梅毒トレポネーマと呼ばれる病原体に感染することが原因で発症します。
症状
<第I期梅毒(感染から約3週間)>
感染してから3週間ほどの潜伏期間を経て、感染が生じた粘膜や皮膚に硬いイボのような皮疹が生じます。痛みがないことも多く、特に治療をしなくても2〜3週間で症状が消えてしまいます。
<第II期梅毒(感染から数か月)>
第I期梅毒の症状が改善して4~10週間ほど経過した後に、粘膜や皮膚から体内に侵入した梅毒トレポネーマが血液によって全身に運ばれ、外陰部を中心として全身に皮疹や脱毛などの皮膚症状が現れるようになります。
特徴的な症状は手のひらや足のひら、全身に現れる発疹です。これらの症状も痛みやかゆみを伴わないことが多く、治療をしなくても数週間〜数ヶ月で症状が治まってしまいます。
<第III期梅毒(感染から数年~数十年)>
第II期の症状が治まると、数年~数十年は何も症状がない状態が続きます。多くはそのまま梅毒トレポネーマが体内に“潜伏”した状態で一生を終えますが、約30%では再び症状が現れることがあります。治療をしないでいると、無症状のまま症状が進行し、やがて心血管や神経にも異常が現れるようになります。
クラミジア感染症
クラミジア感染症は、クラミジアという細菌により引き起こされる感染症の1つです。特に性行為によって感染する“性器クラミジア感染症”が多く、数ある性感染症の中では、日本でもっともよくみられる病気です。
原因
クラミジアという細菌に感染することによって引き起こされます。性器クラミジア感染症の場合、性的接触により精液、腟分泌液、血液、唾液といった体液を介して感染します。
症状
<男性>
性器クラミジア感染症の場合、2〜3週間の潜伏期間の後に尿道炎を引き起こし、排尿痛や尿道の不快感、かゆみなどの自覚症状が現れることが一般的です。
<女性>
性器クラミジア感染症の場合、自覚症状なく経過することが一般的です。自覚症状はなくても、子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤内炎症性疾患、肝周囲炎など広範囲の炎症を引き起こすことがあります。
膀胱炎
膀胱炎は、なんらかの原因によって膀胱に炎症が起きている状態を指します。日本人女性の半分が発症する可能性のある病気として知られています。膀胱炎が女性に多い理由としては、女性のほうが男性よりも尿道が短いこと、尿の出口と肛門や腟の距離が近いことなどが挙げられます。
原因
膀胱の中に細菌が入り、膀胱の粘膜に炎症が起こることによって膀胱炎を発症します。
ただし、膀胱の中に細菌が入ったからといって、すぐに膀胱炎になるわけではありません。睡眠不足やストレスなどで体の抵抗力が落ちているとき、尿を我慢したときなどに膀胱の中で細菌が増えると炎症が起きて膀胱炎の症状が現れます。女性の場合には、月経前後や性行為後などに膀胱内に細菌が侵入しやすいといわれています。
症状
<多く見られる症状>>
頻尿-何度もトイレに行きたくなる、
残尿感-排尿してもすっきりした感じがしない、
排尿痛-排尿した後に下腹部や陰部が痛い
ほかにも、尿が混濁することや血液が混ざった赤い尿(血尿)を認める場合があります。
膀胱がん
膀胱がんとは、膀胱内に発生するがんのことで大部分は尿路上皮ががん化したものです。
原因
膀胱がんの原因はまだはっきりと分かっていませんが、喫煙が大きなリスク因子になることは判明しており、男性の50%以上、女性の約30%は喫煙が原因と推測されています。
症状
初期症状としてもっとも多くみられるのが血尿です。血尿は膀胱炎などの良性疾患でもみられる症状ですが、良性疾患では痛みを伴うことが多いのに対して、膀胱がんでは一般的に痛みを伴いません。
そのほかの症状としては、頻尿や尿意切迫感、排尿時の痛み、下腹部の痛みなどが挙げられます。
前立腺肥大症
前立腺肥大症とは、男性の体において膀胱に隣接して尿道を取り巻いている前立腺という臓器が大きくなり、尿道が細くなることによって排尿にまつわるいろいろな症状をきたす病気を指します。
原因
加齢に伴う男性ホルモンの変化が、前立腺肥大症に関与していると考えられています。
このほか、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症などと関連があるといわれています。
症状
前立腺肥大症になると、尿道の一部が細くなるために尿に関するいろいろな症状が起こるようになります。
・排尿困難(尿が出にくい)、または尿閉(尿が出ない)
・頻尿:おしっこが近い、夜中にトイレで何度も起こされる
・尿意切迫感:突然おしっこに行きたくなる
・残尿感:尿を出しても出し足らない感じがする
・尿失禁:尿を漏らしてしまう
前立腺がん
前立腺に発生するがんのことです。
原因
遺伝や加齢による何らかの変化が関与していることが明らかになっています。肥満、喫煙、動物性脂肪やカルシウムの過剰摂取などの生活習慣の乱れが発症に関与しているとして、さまざまな研究が行われています。
症状
早期の段階ではほとんど症状は現れません。
がんが進行して組織が大きくなると前立腺の内部を走行する尿道を圧迫するようになるため、尿が出しにくい、尿の回数が増える、排尿後も尿が残った感じがする、下腹部に違和感があるといった症状が現れるようになります。
発症から時間が経過すると膀胱、尿道、精管など周辺の臓器にダメージを与えながら進行し、尿や精液に血液が混入することがあります。
腎盂尿管がん
腎盂尿管がんとは、、腎臓で作られた尿が集まる“腎盂”と腎盂から膀胱へつながる“尿管”から発生するがんのことです。
原因
腎盂尿管がんの原因ははっきり分かっていない部分もありますが、喫煙習慣、尿路結石や尿感染症などによる慢性的な炎症などが発症リスクを高めるとの指摘があります。
症状
よくみられる症状は尿に血液が混ざる“血尿”です。ごく初期の段階では肉眼で分かる血尿はみられませんが、進行してくと肉眼でも分かるような血尿がみられるようになります。
また、尿中の血液が固まると尿管を詰まらせて尿がうっ滞し、腎盂や尿管が拡張する状態になることがあります。このような状態になると、背中や脇腹の痛み、排尿痛、頻尿などの症状が引き起こされ、長期間にわたってこの状態が改善されない場合は腎臓の機能が低下していきます。
尿失禁
尿失禁症(尿失禁)とは、自分の意志とは関係なく尿が漏れ出てしまう病気のことです。
原因
<骨盤底筋の緩み>
膀胱や尿道など排尿に関わる器官は骨盤底筋と呼ばれる筋肉に支えられています。加齢による筋力の低下、肥満や妊娠などによる筋肉へのダメージなどが生じて骨盤底筋が緩むと、咳やくしゃみをしたり、重たい物を持ったりして腹圧がかかった際に尿失禁が生じることがあります。
<膀胱や神経機能の異常>
加齢などによって膀胱の機能が低下し、膀胱が過剰な収縮を生じることで突然強い尿が生じ、尿失禁を引き起こすことがあります。
<排尿障害>
前立腺肥大症や前立腺がん、糖尿病などによって排尿障害が生じると、膀胱内に多量の尿がたまるようになるため、たまった尿が少しずつ漏れ出るように失禁することがあります。
<身体機能・認知機能の低下>
加齢などによる身体機能や認知機能の低下は、移動に時間がかかってトイレまで間に合わない、適切な場所で排尿することができないといった症状を引き起こすため、尿失禁の原因になることがあります。
症状
自分の意志とは関係なく尿が漏れ出る
男性機能障害(ED)
男性機能障害とは、身体的、精神的な要因から起こる勃起や射精の問題により、性交渉による満足感を得られない状態を指します。大きく勃起障害(別名、ED)と射精障害の2つに分けられます。
原因
心理的な問題や身体的な問題など、非常に多様です。
症状
勃起障害(ED)
射精障害
主な疾患の症状
血尿が出る
痛みを伴うときは、膀胱炎や結石が考えられますが、痛みを伴わないときは、腎・尿管・膀胱の腫瘍(癌)が考えられます。
排尿する時痛い
最も考えられるのが膀胱炎です。
尿が出にくい
尿道や前立腺の疾患で起こる場合が多く、特に頻度が多いのは前立腺の病気です。
前立腺肥大症と前立腺癌とがあります。
尿道狭窄
尿道炎や外傷後に尿道が狭くなる病気です。
内視鏡による治療を行います。
前立腺肥大症
膀胱の出口にある前立腺が大きくなり尿道を圧迫して尿が出にくくなる病気です。
薬による治療と内視鏡による手術的な治療法があります。
前立腺癌
検査法の進歩により早期診断が可能で、病期により手術もしくは薬による治療を行います。
比較的根治性が高い癌です。
神経因性膀胱-神経の障害で尿道が開かなくなったり、膀胱が収縮しなくなる病気です。
尿がもれることがある
尿がもれるにはいくつかのタイプがあります。
(1)いつ漏れたのか分からない
(2)間に合わずに漏れる。
(3)走ったり、咳をしたときに漏れる。
(1)と(2)膀胱の機能異常(神経因性膀胱)によるものが多く、脳血管障害(脳出血、脳梗塞)後や、子宮癌などの骨盤内の手術後に起こります。
残尿がない場合には薬による治療ですが、残尿がある場合には自分で管を使って尿を取ることが必要な場合もあります。
(3)女性の膀胱底の支持組織が弱くなっておこる場合が多く、支持組織を鍛える運動を行います。
運動療法で改善しない場合は、手術が必要です。
腰やお腹が痛い
腎臓でできた結石が腎臓から尿管に落ちてくる時に激痛が出現します。
普通は片側性で、出血を伴うことが多いです。
尿道から膿が出る
普通は性病で、排尿時に尿道が痛みます。
性交で感染しますが、フェラチオでも感染します。
女性の場合は無症状の場合が多くこのことが性病の多い原因です。
原因菌は、淋菌、クラミジアで、性交後2~5日で発症します。
治療は内服薬で十分ですが、最近薬に耐性を持つ菌が出現しており、治療に時間を要する場合もあります。
勃起しなくなった
最近バイアグラの開発により、今までは治療が困難な患者も勃起力が改善するようになりました。
しかし、心臓病を有する患者では死亡例もあり、きちんと心臓の検査を受けた上での内服が望ましいと言えます。
熱がよく出る
反復する発熱が出現する場合は、腎盂腎炎を繰り返している事があり、発熱時は検尿を行い異常があれば泌尿器科の検査・治療が必要です。
特に幼少のころから腎盂腎炎を繰り返していれば、膀胱からの尿が腎臓に逆流する病気があり手術的治療が必要です。